「今の会社を辞めたいと決めたわけではないけれど、正社員という働き方が気になっている」
「今は契約社員や派遣社員として働いている。このままの雇用形態で、将来も大丈夫なのだろうか」
「転職するなら、年齢的に今からでも間に合うのだろうか」
正社員への転職を考え始めると、期待と同時に、さまざまな不安が浮かんでくるものです。
ただ、転職を考え始めたからといって、すぐに求人へ応募する必要はありません。まずは、なぜ正社員を目指したいのか、今の働き方の何を変えたいのかを整理することが大切です。
この記事では、正社員への転職を考え始めた人が、最初に知っておきたい雇用形態の違いや、自分の状況に合わせた確認事項を紹介します。具体的な準備の順番は、関連記事で詳しく解説しています。焦らず、自分に合った働き方を考えるところから始めましょう。
この記事でわかること
- 正社員への転職を考え始めたとき、最初に確認したいこと
- 正社員・契約社員・派遣社員などの違い
- 今の自分が、どのような理由で正社員を目指したいのか
- 転職を考えるときに、つまずきやすい勘違い
- 応募する前に整理しておきたい条件
転職活動の具体的な手順を知りたい方は、記事の後半で紹介する「30〜50代が正社員転職で最初にやるべきこと」も参考にしてください。
正社員への転職を考え始めた人が、先に知ること
今すぐ「転職する・しない」を決めなくてよい
正社員への転職を考え始めたとき、最初に決めなければならないのは、退職するかどうかではありません。
まずは、自分が何を変えたいと感じているのかを整理してみましょう。
たとえば、契約社員として働いている人なら、契約更新への不安や、長期的に働き続けられるかという心配があるかもしれません。
すでに正社員として働いている人なら、給与や勤務時間、仕事内容、将来のキャリアなどに引っかかりを感じている場合もあるでしょう。
同じように正社員への転職を考えていても、その理由は人によって異なります。
理由が整理できていないまま求人を探し始めると、給与や休日など、目につきやすい条件だけで比較してしまうことがあります。
まだ応募する段階でなくても問題ありません。今の仕事を続けながら情報を集め、自分にとって必要な変化を考えることも、転職を検討するうえで大切な時間です。
正社員が意味するもの
正社員への転職を考えるなら、まず「正社員」という言葉が何を意味するのかを確認しておきましょう。
一般的に正社員は、雇用期間に定めがない形で雇用され、会社の定める勤務条件に従って働く従業員を指します。
契約社員のように、あらかじめ定められた契約期間の満了を前提とする働き方とは、雇用期間の扱いが異なります。
ただし、正社員であれば、必ずしもすべての面で安心できるとは限りません。
給与や賞与、休日、残業、転勤の有無、定年などは、会社や求人によって違います。社会保険についても、雇用形態の名称だけで判断せず、加入条件や実際の労働条件を確認する必要があります。
また、正社員の求人でも、試用期間が設けられている場合があります。試用期間中の給与や待遇、期間終了後の条件についても、事前に確認しておきたい点です。
大切なのは、「正社員」という名称だけで判断しないことです。
自分が求めているのは、雇用期間の安定なのか、収入なのか、働き方なのか。
ここを整理すると、求人を見るときに確認すべき条件も明確になってきます。
転職のメリット・デメリットは別に整理する
正社員への転職を考えると、収入の安定やキャリアアップなど、期待できることがある一方で、新しい職場に慣れる負担や、条件が変わることへの不安も生まれます。
そのため、転職すること自体にメリットがあるのか、デメリットが大きいのかを考えたくなるかもしれません。
ただし、ここで考えたいのは、転職するかどうかの結論だけではありません。
自分が正社員を目指す理由と、転職によって変えたい条件を分けて考えることも大切です。
たとえば、今の仕事に大きな不満はなくても、契約更新のたびに将来が気になるため、雇用期間に定めのない働き方を検討する人もいるでしょう。
一方、正社員として働いていても、勤務時間や通勤の負担を見直したくて転職を考える人もいます。
転職する場合と、今の仕事を続ける場合の両方を比較したい方は、関連記事「転職を考え始めたら知っておきたいメリット・デメリットとは?」をご覧ください。
この記事では、転職そのものの良し悪しを繰り返すのではなく、正社員という雇用を目指す意味と、自分の立場を整理することに焦点を当てます。
自分はどの立場に近いか

正社員への転職を考える理由は、人によって違います。
まずは、次の3つのうち、自分に近いものがあるか考えてみてください。複数に当てはまっても問題ありません。
雇用を安定させたい(非正規から正社員)
契約社員や派遣社員、パートとして働いている人の中には、今の仕事を続けたいと思いながらも、契約期間や更新のことが気になっている人もいるでしょう。
仕事内容や職場に大きな不満がなくても、数年先まで働き続けられるか分からないことが、不安につながる場合があります。
このような場合、正社員への転職を検討することは、雇用の安定を考える選択肢の一つです。
ただし、正社員になれば、あらゆる不安がなくなるわけではありません。会社の経営状況や就業規則、仕事内容の変更など、確認しておきたいことはあります。
最初に考えておきたいのは、次の3点です。
- 今の雇用形態で、特に不安を感じていることは何か
- 正社員になることで、どのような状態を目指したいのか
- 給与や勤務時間など、今の条件から変えたくないことは何か
派遣から正社員を目指す場合も、直接雇用を目指す求人など、いくつかの選択肢があります。
雇用形態の名称だけで判断せず、自分が求める働き方に合っているかを確認することが大切です。
働き方や将来を見直したい(いま正社員)
すでに正社員として働いている人も、転職を考えることがあります。
たとえば、仕事を続ける中で、給与や仕事内容、勤務時間、通勤の負担などに疑問を感じるようになることがあります。
また、年齢を重ねるにつれて、今後の働き方や生活とのバランスを考え直したくなる場合もあるでしょう。
この場合、正社員であること自体を変えたいのではなく、正社員という立場を維持しながら、職場や働く条件を見直したいのかもしれません。
最初に確認したいのは、次の3点です。
- 今の会社で変えられる条件はあるか
- 転職しなければ実現しにくいことは何か
- 次の職場でも維持したい条件は何か
今の職場で配置転換や勤務条件の相談ができる場合もあります。一方、希望する働き方が今の会社では難しいこともあるでしょう。
すぐに退職を決める必要はありません。今の会社に残る可能性も含めて、どのような選択肢があるのかを整理してみましょう。
決まるかを先に見たい(50代前後)
50代前後で正社員への転職を考えると、「今から応募しても採用されるのだろうか」「年齢が理由で選択肢が限られるのではないか」と気になる人もいるでしょう。
これまでの経験を生かせる仕事があるのか、未経験の仕事に挑戦できるのかなど、気になる点はさまざまです。
年齢だけを理由に、転職を諦める必要はありません。ただし、採用される可能性は、経験やスキル、求人の条件、企業が求める人材などによって変わります。必ず決まると約束できるものではありません。
そのため、最初から年齢だけで判断するよりも、現実的な条件を確認していくことが大切です。
- これまでの経験を生かせる仕事はあるか
- 希望する給与や勤務時間は、生活に合っているか
- 通勤や体力面も含めて、無理なく続けられる条件か
特に、収入を確保することが重要な場合は、希望する給与だけでなく、生活費や働き始めるまでの期間も考えておきたいところです。
50代だからこそ、焦って決めるのではなく、これからの生活で守りたいものを整理したうえで選択肢を探していきましょう。

考え始めた人がつまずきやすい勘違い

未経験歓迎なら正社員はすぐ決まる
求人情報で「未経験歓迎」と書かれていると、経験がない仕事でも応募しやすそうに感じるかもしれません。
実際に、未経験者を対象にした求人はあります。ただし、未経験歓迎という言葉は、応募すればすぐに採用されることを意味するものではありません。
企業によって、求める人物像や応募条件、採用人数は異なります。これまでの仕事で身につけた経験が、別の職種でも評価されることがありますが、必要な知識やスキルを新たに身につけなければならない場合もあります。
そのため、求人を見るときは「未経験歓迎」という表示だけでなく、仕事内容や必須条件、歓迎される経験なども確認しましょう。
また、これまでの職歴を振り返り、自分がどのような仕事を経験してきたのかを整理しておくと、応募先を考えるときの参考になります。
採用の可能性を一つの言葉だけで判断せず、仕事内容と自分の経験を照らし合わせて考えることが大切です。
在宅ワークと在宅の正社員は同じ
「通勤の負担を減らしたい」「自宅で働きたい」という理由から、在宅ワークを検討する人もいるでしょう。
ただし、在宅ワークと、在宅勤務ができる正社員の仕事は、同じものではありません。
在宅勤務ができる正社員は、企業と雇用契約を結び、その会社の従業員として働く形です。在宅勤務が可能かどうか、出社の頻度や勤務時間などは、企業や求人によって異なります。
一方、業務委託などで仕事を請け負う場合は、会社に雇用されるのではなく、契約に基づいて仕事を行う形になります。仕事の受注や収入の確保、経費の管理などについても、雇用されて働く場合とは違いがあります。
どちらがよいかは、求める働き方や生活の状況によって異なります。
雇用の安定を重視するなら、在宅勤務が可能な正社員の求人を探すことが選択肢になります。一方、自分で仕事を請け負う働き方に関心があるなら、業務委託の仕事について知ることも一つの方法です。
在宅で仕事を始める方法を知りたい方は、「在宅ワークの始め方|30〜50代の未経験者が最初にやること」も参考にしてください。
辞めてから本格的に動く方がうまくいく
「今の仕事を辞めてから、落ち着いて転職活動をしたい」と考える人もいるかもしれません。
退職後であれば、応募書類の準備や面接の日程調整に時間を使いやすくなる場合があります。
一方で、退職してから次の仕事が決まるまでに時間がかかる可能性もあります。その間の生活費や社会保険料などを、自分で負担することになる場合も考えておかなければなりません。
在職中に転職活動をする場合は、仕事との両立や面接日程の調整などが課題になりますが、収入を確保しながら次の職場を探せるという面もあります。
どちらの方法が合っているかは、現在の仕事の状況や健康状態、生活費、転職活動に使える時間などによって異なります。
退職することを先に決めるのではなく、今の仕事を続けながら情報収集できるか、退職する場合はどの程度の生活費を確保しておく必要があるかを考えてみましょう。
求人をたくさん見た方が前に進む
転職を考え始めると、まずは求人サイトを開いて、条件のよさそうな求人を探したくなることがあります。
しかし、希望条件が整理できていない段階で多くの求人を見ると、どれも魅力的に感じたり、反対に何を選べばよいのか分からなくなったりすることがあります。
給与が高い求人に目が向いても、通勤時間や勤務時間が希望と合わないことがあるかもしれません。休日が多くても、仕事内容や必要な経験が自分に合わない場合もあります。
求人を見ること自体は、仕事の選択肢を知るうえで役立ちます。ただし、件数を増やすことだけが転職活動の進展につながるわけではありません。
まずは、絶対に譲れない条件と、できれば叶えたい条件を分けて考えてみましょう。
自分の希望がある程度見えてから求人を比較すると、何を基準に判断すればよいのかが分かりやすくなります。
応募の前に、メモしておく3つのこと

正社員への転職を考え始めた段階では、履歴書や職務経歴書を完成させることよりも、まず自分の考えを整理しておくと、その後の判断に役立ちます。
ここでは、最初にメモしておきたい3つのことを紹介します。
守りたい条件
これから働くうえで、何を大切にしたいのかを書き出してみましょう。
たとえば、次のような条件があります。
- 毎月の収入を一定以上確保したい
- 雇用期間に定めのない仕事を希望したい
- 残業が少ない職場で働きたい
- 通勤時間を短くしたい
- 在宅勤務ができる仕事を探したい
すべての希望を満たす求人が見つかるとは限りません。そのため、絶対に譲れない条件と、状況によっては調整できる条件を分けておくと、選択肢を比較しやすくなります。
最初から細かく決める必要はありません。今の段階で大切にしたいことを、いくつか書き出すだけでも十分です。
今の仕事で続けていること・変えたいこと
これまでの仕事を振り返り、続けたいことと、変えたいことを整理してみましょう。
たとえば、事務職で働いてきた人なら、書類作成やデータ入力、電話対応、スケジュール管理などの経験があるかもしれません。
こうした経験は、同じ職種だけでなく、別の仕事でも役立つ場合があります。
一方、仕事内容そのものは好きでも、勤務時間や通勤の負担を変えたいと感じていることもあるでしょう。
ここでは、自分の能力を評価したり、転職先を決めたりする必要はありません。
「続けたい仕事」「負担に感じていること」「今後は変えたいこと」のように、簡単な言葉で書き出してみてください。
自分の経験と希望が整理できると、どのような求人を見ればよいのかを考える手がかりになります。
家族や生活で下げられない線
仕事を選ぶときには、仕事内容や給与だけでなく、生活とのバランスも考えておきたいところです。
たとえば、家族の予定に合わせる必要がある人や、通院などのために勤務時間に希望がある人もいるでしょう。
一人暮らしの場合は、毎月の生活費や家賃などを踏まえて、必要な収入を考えておくことも大切です。
また、在宅勤務を希望する場合は、在宅勤務が可能という表示だけで判断せず、入社直後から在宅で働けるのか、研修期間は出社が必要なのか、定期的な出社があるのかなども確認したい点です。
生活の条件は、人によって異なります。ほかの人にとって魅力的な求人であっても、自分の生活に合わなければ、長く働き続けることが難しくなる場合があります。
無理なく続けられる働き方を考えるためにも、自分にとって下げられない条件を整理しておきましょう。
ここまでメモできたら、次は関連記事「30〜50代が正社員転職で最初にやるべきこと」で、応募前に進めたい準備の順番を確認してみてください。
よくある質問
正社員と契約社員の違いは?
一般的には、正社員は雇用期間に定めがない形、契約社員はあらかじめ雇用期間が定められている形で働きます。ただし、呼び方や労働条件は企業によって異なるため、求人票や雇用契約書で確認することが大切です。
雇用期間だけでなく、給与、休日、仕事内容、社会保険などの条件も比較して、自分が求める働き方に合っているかを考えましょう。
派遣から正社員になることは可能?
派遣社員から正社員を目指すことは可能です。派遣先企業での直接雇用を目指す方法や、正社員の求人に応募する方法などがあります。
ただし、派遣先で必ず正社員になれるわけではありません。直接雇用の可能性や条件は、派遣契約や企業の採用方針などによって異なります。自分がどのような形で正社員を目指したいのかを整理しておきましょう。
正社員への転職を考え始めたら、転職エージェントに登録するべき?
転職エージェントへの登録は、転職を考える段階で必ず必要というわけではありません。
まずは自分の希望条件や、転職を考える理由を整理することから始めてもよいでしょう。そのうえで、求人情報を集めたい、応募先について相談したいなどの必要性が出てきたら、利用を検討する方法もあります。
サービスによって支援内容や利用条件が異なるため、登録する場合は内容を確認したうえで判断しましょう。
在職中に転職活動をしてもよい?
在職中に転職活動を進めることは可能です。仕事を続けながら求人を調べたり、応募の準備をしたりすることで、収入を確保しながら次の働き方を検討できます。
ただし、勤務時間との調整や面接の日程など、両立に負担がかかる場合もあります。今の仕事や生活の状況に合わせて、無理のない範囲で進めることが大切です。
30代・40代・50代では、最初に見ることが違う?
年齢によって、これまでの経験や今後の生活で重視したい条件が異なる場合があります。
一方で、年齢だけで最初に考えることが決まるわけではありません。雇用の安定を優先したいのか、仕事内容を変えたいのか、生活に合った働き方を探したいのかなど、自分の状況に合わせて整理することが大切です。
在宅で正社員を目指すことはできる?
在宅勤務が可能な正社員の求人を探すことはできます。ただし、完全在宅か、一部出社が必要か、入社後の研修期間に出社する必要があるかなどは、企業によって異なります。
求人票の「在宅勤務可」という表記だけで判断せず、実際の勤務条件を確認しましょう。
また、業務委託などで自宅から仕事を請け負う働き方とは、雇用関係や収入の仕組みが異なります。自分が求めているのは在宅勤務ができる正社員なのか、自分で仕事を請け負う働き方なのかを整理しておくと、求人や仕事を探しやすくなります。
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まとめ|正社員への転職は、自分の立場を整理するところから
正社員への転職を考え始めたとき、すぐに応募先を決めたり、退職を決断したりする必要はありません。
まずは、正社員という雇用形態が自分にとってどのような意味を持つのか、そして今の働き方の何を変えたいのかを整理することが大切です。
契約社員や派遣社員として働いていて雇用の安定を求めている人も、すでに正社員として働いていて条件を見直したい人も、50代前後で今後の選択肢を考えている人も、最初に確認したいことは少しずつ異なります。
また、「未経験歓迎ならすぐ決まる」「在宅ワークと在宅の正社員は同じ」「辞めてから動く方がよい」といった考え方だけで判断せず、自分の生活や希望条件に合った選択肢を探していきましょう。
今日できることは、自分が次の3つのうち、どれに近いのかを一つ選んでメモすることです。
- 雇用を安定させたい
- 今の働き方や将来を見直したい
- 正社員への転職が現実的に可能か、まず確認したい
まだ一つに絞れなくても問題ありません。
自分の立場が少し見えてきたら、次は「30〜50代が正社員転職で最初にやるべきこと」で、具体的な準備の順番を確認してみてください。
焦らず、一つずつ整理することが、自分に合った働き方を考える第一歩になります。
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